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村上シンジ 連続ブログ小説 「零」2

Posted joe :2012.01.20

11月某日。

僕らは2011年最後のワンマンツアー「アルバム全部やりますツアー!その4」に向けて、都内のリハーサルスタジオで練習を始めた。

つい数日前に「アルバム全部やりますツアー!その3」がファイナルを迎えたばかりだ。

頭の中コードと歌詞で飽和状態になっている。

自分達が作った曲とはいえ、長い間演奏していないと細かい部分が抜けてしまうのだ。

というか、そんな事よりこのツアータイトルはなんなんだ。

適当すぎる。

思い返してみると、今までのツアータイトルでスタイリッシュな物が一つも無い。

一応三人で頭を悩ませ考えてはいるのだが、いかんせん笑いを追求しすぎた。

英語のかっこいいツアータイトルに憧れたりもしているのだが、逆に「何あいつらカッコつけてんだよ!」とか思われるのが怖い。

果たして僕らはロックなのだろうかと言う疑問が脳裏を駆け巡る。

いやいや、きっとそれこそロックだ。

悩み、迷い、苦しみ、遊び、学び、笑い、その経験全てを心のままにかき鳴らすのがロックだ。




...多分。



話が大分それてしまったので元に戻そう。

容量オーバーの情報を詰め込んでしまっていたので、思考回路はショート寸前。

そこにCちゃんがやって来た。

Cちゃん「オーディションでやる曲が決まりました!
Steppen wolfのBorn To Be Wildです!完コピしてね!」

Steppen wolfの
Born To Be Wildと言えば、思い出すのはアメリカの広大な大地を走るハーレー。そして革ジャン。

有名な曲なので、僕も何度か聞いた事はあるが、覚えて居るのはAメロとサビくらい。

しかもベースパートを集中して聴いた事はなかったので、ほぼ0からのスタートだ。

背中に冷たい物が走った。


オーディションは



明日だ。


続く